守りたい人【完】(番外編完)
不安で不安で、押し潰されてしまいそう。

悪い方向にしか頭が働かない。


もしかして――って言葉が頭の中をグルグル回っている。

その言葉に、気が狂ってしまいそう。

すると――。


「あの」


不意に聞こえた声に、俯いていた顔をパッと上げる。

すると、そこには1人の迷彩服姿の男性が立っていた。

だけど、その顔を見てハッとする。


「あなた……」


見覚えのある顔に、言葉を落とす。


そう――。

彼は先日、朝比奈さんと喋っていた人。

朝比奈さんの元部下。

例の暴力事件を起こした人――。
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