守りたい人【完】(番外編完)
喉がカラカラだ。
体もバキバキで、頭も重い。
それでも、不安な気持ちが勝って、体を休める事ができない。
「一睡もしてへんのやろ」
スースーと隣で寝息を立てる、たまちゃんを見つめていると、不意に声がかかって我に返る。
声のした方に視線を向けると、今しがた起きたばかりの鍛冶君が小さく溜息を吐いて私を見つめていた。
「少しだけ寝ましたよ」
「嘘つけ。目真っ赤やで」
「――」
「横になるだけでもちゃうから、横になり」
優しい鍛冶君の言葉を聞いて、躊躇いながらもコクンと頷く。
本当は何かをしていないと不安でいても立ってもいられないけど、これ以上鍛冶君を心配させたくなかった。
足元にあった毛布を手繰り寄せて、パタンと横になる。
そんな私を見て、鍛冶君は安心したように表情を緩めた。
その姿を視界の端に捉えながら、何もできない自分が不甲斐なくて泣けてくる。
私って、こんなに弱かったっけ。
以前までは、何でも自分で解決して、自分の弱さなんて誰にも見せなかったのに。