守りたい人【完】(番外編完)
バタバタといくつもの足音を響かせていると、廊下の端に数人の男性が立っているのが見えた。
ジャージ姿だが、その屈強な体を見ただけで、すぐに一般人ではない事が分かった。
慌ただしく駆ける私達に気づいてか、何やら話し込んでいた彼らがこちらに視線を向けた。
その姿を見て、やはり彼らは自衛官だと確信する。
「朝比奈さんはっ」
そうと分かった瞬間、彼らの1人にぶつかる様に服を掴んでそう問いかける。
冷静でいなきゃと思うのに、理性が効かなかった。
「落ち着いてください」
「あの、朝比奈さんは大丈夫なんですか!?」
「大丈夫ですよ。だから、落ち着いてください」
「だい……じょう……ぶ?」
「大丈夫ですから」
取り乱す私に、優しく微笑んだ1人の男性。
上がる息のまま、捲し立てるように口を開く私を落ち着かせるように、ゆっくりとした口調でそう言った。
「でも……病院に運ばれたって。怪我してるんじゃ――?」
パニック寸前の私は、落ち着いた様子の彼らを見て、徐々に冷静さを取り戻していく。
ままならなかった息を整えて、そう問いかけた。