守りたい人【完】(番外編完)
「結構進んでるな」
そっと私の頭を一度撫でた朝比奈さんがそう言う。
その言葉に、一度大きく頷いた。
「朝比奈さんの言っていた事は本当でしたね」
「ん?」
「日本中の人達が助けに来るって」
いつかの言葉を思い出して、そう言う。
あの時は半信半疑だったけど、本当だった。
いつの間にか、日本中から集まった沢山の人達がこの町を、姫野荘を助けてくれている。
ここに笑顔を運んでくれている。
落ち込んでいる暇なんてないと、そう思わせてくれている。
「そうだな」
私の言葉を聞いて、朝比奈さんが一度優しく微笑む。
黒目がちなその瞳を見つめて、幸せだと何度も思う。
すると。