守りたい人【完】(番外編完)

「だったら、家に来い」

「辛い時、1人でいると、もっと辛くなるのよ」

「好きなだけいればいい。他に行く場所ができるまでな。それに、別に今日だけでもいい」

「今日はすき焼きだものね」

「〆はうどんだな」

「あら、おじやも美味しいのよ」

「うどんだ!」

「おじや」

「うどんだ! なぁ!?」


〆の話で盛り上がる2人だったが、突然男性から話を振られて肩が上がる。

それでも、その底抜けの明るさに無意識に頬が上がった。

それと同時に、ゴチャゴチャ考えている自分が馬鹿みたいに思えた。


「うどんで」


そう言った俺の言葉を聞いて、ほらな! と男性が勝ち誇ったように言った。

まるで子供のようなその姿に、胸を覆っていたものが晴れていく。
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