守りたい人【完】(番外編完)
「あの、聞いてますか?」
その失礼極まりない態度にとうとう耐えきれなくなって、食事を続ける朝比奈さんの顔を引きつった笑顔で覗き込む。
すると、ようやく視線を上げた彼がじっと私を見つめてきた。
その鋭い視線から感じる威圧感に、思わず前のめりになっていた体を元に戻す。
それでも、彼は再び視線を伏せて何事も無かったかのように食事を再開した。
そして。
「今、食事中なんだけど」
告げられた言葉に、呆気にとられて固まる。
そんな私とは正反対に、一つも表情を変える事なく食事を再開した朝比奈さん。
カチャカチャと食器が触れ合う音だけが、部屋に響き渡る。
な、な、なんなの!?
なんなのっ!?
あまりの冷たい態度に、言い返す言葉すら出てこない。
いや、正確に言えば怒りで言葉が出てこない。