守りたい人【完】(番外編完)
「いやぁぁぁぁぁぁっっ!!」
烈火の如く響いた声に、思わず持っていた風呂セットを落とす。
それと同時に飛んできた、濡れたタオルやら、近くに置いてあったハンドソープ。
それらを上手くかわした俺は急いで声を上げた。
「なんで、いんだよ」
「な、な、なんでって、ここは私の家です!」
「さっきまで外にいただろ」
「今帰ってきたんですっ!」
「痛って、ちょ、もう見てねーから落ち着け」
「扉! 扉閉めて下さい!」
「分かった。分かったから落ち着け」
「変態っ!」
「なっ、俺だって好き好んでそんな貧相な体見たいわけじゃねーよ」
あ、やべ。
言ってから後悔してしまった。
俺の言葉を聞いて、志穂の顔が恥ずかしさではなく、怒りで真っ赤になっていく。