守りたい人【完】(番外編完)
そして、キッと俺を睨みつけた志穂は怒りの表情のまま口を開いた。
「誰と比べてるか知りませんけど、貧相で申し訳ありません~!!」
「いや、今のは――」
「言われなくても分かってますよ! 凹凸がない事くらい!」
「だから――」
「っていうか、どんだけ見てるんですか! この変態!」
「おい――」
「私だってね、いろいろ頑張ってるんですからね!」
俺に一切の発言を許さない勢いで一気に捲し立ててきた志穂。
恥ずかしさはどこへやら、ハンドタオルで隠した体のままで俺の元までズンズンと歩み寄ってきた。
さすがの俺も、女の裸を前に動揺を隠しきれなかった。
見てはいけないと思い目を逸らすと、アイツは更に怒りをぶつけてきた。
「ちょっと、逃げるんですか!?」
「ちょ、おまえ、体――」
「体? まだ何か文句でも?」
「――」
「言いたい事があるならハッキリ言えばいいじゃないですか!」
「――…ない」
「はい?」
「文句はない」
負けた。