守りたい人【完】(番外編完)
こんな態度を誰かに取られた事がない私は、どう対応していいかサッパリ。

猛烈に気まずい空気が食堂に流れ込んできて、息をするのも辛い。


もう、なんで私がこんな事を――。


そんな事を思っていると。


「これ、あんたが作ったの」


ほとんど料理を食べ終わった頃。

不意にポツリとそう言った朝比奈さんが視線だけ私に向けた。


その黒目がちな瞳が私を真っ直ぐに射ぬく。

どこか力強いその眼差しに、ドキッとしながらコクンと頷いた。

すると。


「味、濃い」

「え?」

「次はもっと薄味で」


サラッとそう言って、再び視線を伏せた朝比奈さん。

その言葉に、何も言い返せずに固まる。

だけど、徐々にその言い方に腹が立ってきた私はテーブルの下で拳を握る。


確かに何でも言ってとは言ったけど、その言い方はないんじゃない!?

っていうか、ケンカ売ってるの?
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