守りたい人【完】(番外編完)
笑顔の裏で怒りの炎を燃やす私を置いて食事を済ませた彼は、味が濃いとか言いながらもすべて平らげ、ご丁寧に手を合わせた後、お盆をキッチンへと運んだ。
そして、さっさと立ち去ろうとする背中を見て我に返った私は慌てて席を立って声を上げる。
「あのっ! 怒ってるんですか?」
「――」
「何か私、気に障るような事しましたか?」
いや、そうとしか考えられない。
その態度と言動が普通だって言うなら、どんだけ性格悪いのよ。
もうイライラのボルテージがMAXになっているけれど、一応『お客さん』なわけだから、顔には出さずにじっと彼の広い背中を見つめる。
すると、立ち止まって肩越しにこちらを振り返った彼。
その精悍な顔に不覚にも一瞬ドキっとしたけど、平静を装う。
「別に」
「別にって、何か不満があるんじゃないですか?」
「――」
「何かあるなら言って下さい!」
「――」
「まだまだ不慣れですけど、頑張りますから!」
負けじと朝比奈さんの目を見つめ返して、そう言う。
すると、ようやく話す気になったのか私に向き直った彼は相変わらずの無表情のまま口を開いた。
そして、さっさと立ち去ろうとする背中を見て我に返った私は慌てて席を立って声を上げる。
「あのっ! 怒ってるんですか?」
「――」
「何か私、気に障るような事しましたか?」
いや、そうとしか考えられない。
その態度と言動が普通だって言うなら、どんだけ性格悪いのよ。
もうイライラのボルテージがMAXになっているけれど、一応『お客さん』なわけだから、顔には出さずにじっと彼の広い背中を見つめる。
すると、立ち止まって肩越しにこちらを振り返った彼。
その精悍な顔に不覚にも一瞬ドキっとしたけど、平静を装う。
「別に」
「別にって、何か不満があるんじゃないですか?」
「――」
「何かあるなら言って下さい!」
「――」
「まだまだ不慣れですけど、頑張りますから!」
負けじと朝比奈さんの目を見つめ返して、そう言う。
すると、ようやく話す気になったのか私に向き直った彼は相変わらずの無表情のまま口を開いた。