守りたい人【完】(番外編完)
その言葉に、その表情に、一気に胸が熱くなる。
そう思ってくれた事が嬉しくて堪らなかった。
きっと、志穂ちゃんには私よりも大切な友達ができて、何でも話せる恋人ができて、こんな田舎町なんてまたすぐに出て行ってしまうと思っていた。
それなのに、志穂ちゃんは私の隣にいてくれる。
私を以前と変わらず一番の友達だと言ってくれる。
変わらないものもあった。
変わらない想いがあった。
それを目の当たりにして、嬉しくて嬉しくて仕方なくなる。
あの日、茜色の空の下、ホームで志穂ちゃんの乗っていった電車を見送った時からポッカリと心に開いていた穴がようやく埋まった気がした。
帰らない親友を待った日々が、消えていく。
「志穂ちゃ~んっ」
ボロボロと泣き出した私を見て、志穂ちゃんが驚いたように目を見開いた。
そして、慌てた様子で泣き出した私の顔を覗き込んでくる。