守りたい人【完】(番外編完)
頬を伝っていた大きな手が、頬から首に、そして胸へと移動していく。
その瞬間、ビクッと大きく体が反応して逃げるように唇を離した。
それでも、もちろん朝比奈さんは逃がしてはくれず、追いかけるようにキスの雨が降ってくる。
「逃げるなよ」
「もぅ、待って……」
「志穂」
熱い吐息と共に、耳元で名前を呼ばれる。
その瞬間、キュッと心臓が甘い痛みを伴って縮こまる。
あぁ、もう限界だ。
そう悟った瞬間、何もかも委ねるように、ゆっくりと朝比奈さんの首に両腕を回した。
そんな私の行動でスイッチが入ったのか、ゆっくりと背中を通ってブラのホックが外された。
そのまま、流れるような動作で、互いに服を脱いでいく。
薄いブランケットの中に、生まれたままの姿の私達。
淡いオレンジ色に照らされて、2人抱きしめ合う。