守りたい人【完】(番外編完)
再び胸の奥が締め付けられて、モゾモゾと態勢をゆっくりと反転させる。
すると、片方の口端を上げた朝比奈さんが私に視線を向けた。
「無理なんて、してません」
「――」
「その……」
「なに」
「気持ち、良かったです」
ポツリと言った私の言葉に、朝比奈さんが目を見開く。
その表情を見て、首を傾げた。
「朝比奈さん?」
そんな私を見て、今度は朝比奈さんが逃げるように顔を背けて、大きな手で口元を覆った。
視線は天井に向いてしまっている。
どうしたのだろうか。
その行動の意味が分からなくて、首を傾げたまま朝比奈さんをじっと見つめる。
すると。