守りたい人【完】(番外編完)
「あの両親あっての、お前って感じだよな」

「え?」

「末恐ろしいよ。その天然ぶり」


口元を隠したまま、視線だけ私に向けた朝比奈さん。

そして、降参だと言わんばかりに大きく息を吐いて、ぎゅっと私を抱きしめた。


「どうしたんですか?」

「何でもない」

「ふふ、変なの」


クスクスと笑っていると、ゆっくりと体を離した朝比奈さんが私を覗き込んでくる。

そして、少しだけ言いづらそうに口を開いた。


「もう一回」

「え?」

「もう一回、抱く」


そう言うや否や、勢いよく唇を塞がれた。

驚いた私だけど、すべてを受け入れるようにその背に腕を回した。

そして。


「私も、おかわり下さい」



小さく囁いて、その胸に埋もれた―――。




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