守りたい人【完】(番外編完)
お正月には餅つきをして。
春には桜を見ながら団子を食べて。
夏には庭で流しそうめんをして。
秋には焚き火で焼き芋を焼いて。
冬には暖炉を囲んで、鍋をつつく。
自然の中で、自然に合わせて暮らしている。
便利なものは何もないけれど、ひと手間加えたものだからこそ温かみがある。
不便だからこそ、毎日の生活に張りがある。
あんなに昔は煩わしかった近所の人達にも助けてもらっている。
困った時はお互い様。
その言葉の通り、何かあれば全力で助けてくれる。
そして、私や鍛冶君、朝比奈さんの事をまるで孫のように可愛がってくれた。
まるでみんな家族のように暮らしている。
いつも笑い声が響いて、世界が明るい。
毎日が幸せで溢れている。