守りたい人【完】(番外編完)

「夏になったら海に行こう」

「うん」

「秋になったら紅葉狩りに」

「うん」

「冬になったらボードに」

「うん」


頷く私を、強く抱きしめる腕。

その胸に包まれて、幸せを噛み締めた。


「ずっと、一緒にいよう」


最後に小さく囁かれた言葉に、涙が溢れそうになる。

ゆっくりと視線を持ち上げると、優しく微笑んだ朝比奈さんが私をじっと見つめていた。


その姿に応えるように唇をそっと近づける。

迎えるように朝比奈さんが、私に顔を近づけてきた。

その時。


「あかんあかんっ! そんなに押したら、あぁぁぁ――っ!」


静かだった世界に、突然騒がしい音が響く。

ビクリと肩を持ち上げた私は、勢いよく背後を振り返った。

すると。

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