守りたい人【完】(番外編完)
「痛たたたた……」
和室の襖の間から、まるでコントのように折り重なって倒れこんでいる鍛冶君と、たまちゃん。
そして、驚いて固まる私と朝比奈さんを見て、いそいそと居住まいを正した後、ケロリと口を開いた。
「惜しかったね、あとちょっとで見れたのに」
「アカンて! 俺、朝比奈さんにキスされてる志穂ちゃんなんて見てられへん!」
「最初に覗こうって言ったの、鍛冶君じゃない~」
「まぁ、出来心や」
そう言った鍛冶君を思いっきり殴り飛ばしたい衝動にかられた。
それと同時に一気に顔が真っ赤になる。
それなのに。
「え? ちょ、ちょっと、待って待って、朝比奈さん!」
一瞬驚いてフリーズしていた朝比奈さんだったが、あたかも何も無かったかのように再び私に顔を近づけてきた。
まさかの行動に驚いた私は、慌てて体を引いて朝比奈さんを手で制する。