守りたい人【完】(番外編完)
「見ろよ」
真っ暗闇の中で突然そう言った朝比奈さん。
そして、その言葉と共に真っ暗だった世界に一気に明かりが灯る。
暗闇に慣れてきていた私は、その眩しさに反射的に目を閉じた。
それでも、オズオズと目を開けたその時。
目の前に見えた景色に息を飲んだ――。
「わぁ……」
朝比奈さんが懐中電灯で照らしていたのは、満開の桜だった。
真っ暗な世界に、まるで灯台のように佇んでいる。
そのあまりの綺麗さに、吸い寄せられるように足を前に出した。
「綺麗……」
「早咲きの桜だろ。ちょうど満開だった」
「これを、私に?」
信じられないサプライズに、声が僅かに震えた。
そんな私の声を聞いても懐中電灯の明かりに照らされた朝比奈さんは、表情一つ変えずに口を開いた。
「あんたはここが嫌いかもしれないけど、俺は案外気に入ってる」
「――」
「あっちの世界じゃ気づけなかった大切なもの、ここでは気づく事ができる」
真っ暗闇の中で突然そう言った朝比奈さん。
そして、その言葉と共に真っ暗だった世界に一気に明かりが灯る。
暗闇に慣れてきていた私は、その眩しさに反射的に目を閉じた。
それでも、オズオズと目を開けたその時。
目の前に見えた景色に息を飲んだ――。
「わぁ……」
朝比奈さんが懐中電灯で照らしていたのは、満開の桜だった。
真っ暗な世界に、まるで灯台のように佇んでいる。
そのあまりの綺麗さに、吸い寄せられるように足を前に出した。
「綺麗……」
「早咲きの桜だろ。ちょうど満開だった」
「これを、私に?」
信じられないサプライズに、声が僅かに震えた。
そんな私の声を聞いても懐中電灯の明かりに照らされた朝比奈さんは、表情一つ変えずに口を開いた。
「あんたはここが嫌いかもしれないけど、俺は案外気に入ってる」
「――」
「あっちの世界じゃ気づけなかった大切なもの、ここでは気づく事ができる」