クールな御曹司の契約妻になりました
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「すごーい!!」
飛行機から降りて、移動すること一時間。
小高い丘の上に立つ白亜の豪邸に到着すると私は、感嘆のため息を漏らす。
2階のテラスから見下ろすと、真っ青な海が輝いていてとてもきれいだ。
「5年前に親父が買ったんだ。向こうのコテージも、うちの敷地なんだけど、今日はあっちに泊ろう」
向こうのコテージって、池やプールを挟んで随分と先にひっそりと佇んでいる。
あそこも敷地ってことは……。
「東京ドーム、5個分って言ってたような気がする」
私が考えていることなんてきっとすぐに分かった千裕さんが、可笑しそうに私に囁いたから住んでいる世界の違いを感じて軽くめまいすら覚える。