クールな御曹司の契約妻になりました
千裕さんが連れてきてくれたのは、国内外にいくつかある二階堂家の別荘の1つ。

敷地にはハイビスカスやバナナツリーなどの色とりどりの植物がところ狭しと咲き誇っている。

敷地内にいくつもある仏像の小さなオブジェも表情豊かで、異国情緒を漂わせている。


この南国リゾートで有名な小さな島にある、この広い別荘に私たちはしばらく滞在することになった。


「どうした?」

「いえ、なんでも……」

ふと隣に並んだ千裕さんの横顔を眺めると、出発前より随分と柔らかなことに気がつき、少しだけ安心する。

「散歩しながら、コテージに向かおう」

私の言葉に少しだけ表情を崩した千裕さんが、私にそう声をかけた。

< 103 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop