クールな御曹司の契約妻になりました
私は今度こそ滑らないようにと足元に気を付けながら、プールサイドに腰を下ろして足を水に浸す。

ひんやりと冷たい水が心地よい。

後ろにあるデッキチェアに座る千裕さんの視線を背中に感じる。


「千裕さん、ずっと気になっていたことを聞いてもいいですか?」

「うん、どうした?」

千裕さんの穏やかな声にも私は振り向かないままで、大きく息を吸い込んで静かに尋ねる。

ううん、正直なところ千裕さんの反応が怖くて振り向けなかったんだ。


「あの、千裕さんの後ろにいつも立っている女の子って誰ですか?」

「はっ?」

千裕さんは驚きの声をあげる。

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