クールな御曹司の契約妻になりました
「香穂は見えるのか?いわゆる、あの……霊?のようなものが」
私が千裕さんの隣に腰を下ろすと、千裕さんが言葉を選ぶように尋ねてきたから、私は小さく頷く。
「そっか」
「気が付いたら、見えるようになっていたんです。あっ、でも最近は、随分見えなくなってきていたんですけど、なんというか、その……」
千裕さんの後ろに憑いている女の子は特別、見えます。
そんなこと言うに言えなくて、私はつい言葉を濁して喋る。
「俺に憑いてる女の子は見える?」
きっと千裕さんには私の言いたいことが伝わっているみたいで、千裕さんの言葉に私は小さく頷いて見せた。