クールな御曹司の契約妻になりました
「この間の4月1日で、サヤカが居なくなってちょうど10年」
4月1日、千裕さんが私と結婚式を挙げた日。
「エイプリルフールに居なくなるなんて、嘘だと信じたくはなかったよ」
結婚式の日の朝、私も全く同じことを思っていた。
だけど、千裕さんは私よりもずっと悲しい思いをしながら全て嘘だと思いたかったに違いない。
胸が締め付けられるように痛くて、苦しくて。
だけど私が千裕さんにしてあげれることは握られた手を、強く握り返すことだけだった。
目の前が一気にぼやけて、涙がこぼれる。
「どうして香穂が泣くんだよ?」
大きな手で、私の頭をポンポンと二度ほど優しくのせた千裕さんの声色は柔らかだ。
「だけど、泣いてくれてありがとう。心が軽くなった」
私なんて千裕さんの心の傷を癒すことなんて出来るはずもないけれど、千裕さんの言葉に嘘なんてないことだけは分かった。
4月1日、千裕さんが私と結婚式を挙げた日。
「エイプリルフールに居なくなるなんて、嘘だと信じたくはなかったよ」
結婚式の日の朝、私も全く同じことを思っていた。
だけど、千裕さんは私よりもずっと悲しい思いをしながら全て嘘だと思いたかったに違いない。
胸が締め付けられるように痛くて、苦しくて。
だけど私が千裕さんにしてあげれることは握られた手を、強く握り返すことだけだった。
目の前が一気にぼやけて、涙がこぼれる。
「どうして香穂が泣くんだよ?」
大きな手で、私の頭をポンポンと二度ほど優しくのせた千裕さんの声色は柔らかだ。
「だけど、泣いてくれてありがとう。心が軽くなった」
私なんて千裕さんの心の傷を癒すことなんて出来るはずもないけれど、千裕さんの言葉に嘘なんてないことだけは分かった。