クールな御曹司の契約妻になりました

「何年ももがいて、サヤカを超える女性なんていないことに気が付いた。親が決めた結婚をしても、きっと相手と向かい合うことも、幸せを感じさせることすら出来ない。俺の心には、いつもサヤカがいるからだ」

私は言葉を返すことが出来ないまま、千裕さんを真っすぐに見つめる。

「相手を傷つけることもなく、親が望んでいる『結婚』をするためには、『結婚』をビジネスにするしかないと思った結果が、契約結婚だ。4月1日、サヤカへの気持ちに一旦けじめをつけようとあの日を選んだ。」


「だから、あんな条件……」

5年間の恋愛禁止。

その条件を私はずっと勘違いしていたのかもしれない。

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