クールな御曹司の契約妻になりました
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午後八時を過ぎた頃、ようやく千裕さんが帰ってきた。
千裕さんの好きなものとか、嫌いなものとか聞いておけばよかった。
聞き忘れてしまったことを後悔しながら作ったメニューはカレーライス。
「カレーライス食べるなんて、久しぶりだな」
「これなら嫌いな人はいないんじゃないかって思ったので……」
私のカレーライスを作るまでの経緯に千裕さんは堰を切ったように笑い始める。
私は恥ずかしくて顔全体を真っ赤にして、俯く。
カレーライスになったのは、カメラマンらしき男性に買い物中ずっと見られているような気がして、買い物に集中できなかったってこともあるんだけど……。
千裕さんはきっとこんなこと言うと心配するに決まっているから、言わずにしておこう。
「香穂が作った料理は美味しいよ」
俯いた私に目を細めた千裕さんが甘い声で、そう言ったものだから私の胸はふいに高鳴った。
午後八時を過ぎた頃、ようやく千裕さんが帰ってきた。
千裕さんの好きなものとか、嫌いなものとか聞いておけばよかった。
聞き忘れてしまったことを後悔しながら作ったメニューはカレーライス。
「カレーライス食べるなんて、久しぶりだな」
「これなら嫌いな人はいないんじゃないかって思ったので……」
私のカレーライスを作るまでの経緯に千裕さんは堰を切ったように笑い始める。
私は恥ずかしくて顔全体を真っ赤にして、俯く。
カレーライスになったのは、カメラマンらしき男性に買い物中ずっと見られているような気がして、買い物に集中できなかったってこともあるんだけど……。
千裕さんはきっとこんなこと言うと心配するに決まっているから、言わずにしておこう。
「香穂が作った料理は美味しいよ」
俯いた私に目を細めた千裕さんが甘い声で、そう言ったものだから私の胸はふいに高鳴った。