クールな御曹司の契約妻になりました
ようやく抱きしめた私を解放してくれた千裕さんは私に優しい微笑みを見せた。
「香穂に頼られることは光栄なんだ」

「えっ?」

思いがけない言葉に私の胸が飛び跳ねる。


そんな私を射抜くように千裕さんは見つめている。

「どんなに忙しくても、何があっても香穂を守りたい」

身体の温度が一気に上昇するのが分かる。心拍数が急上昇する。


「俺に香穂を守らせてくれないか?」

千裕さんの瞳の奥に見えた私の姿がゆらゆらと揺れている。

その漆黒の瞳に引き込まれそうな気分に陥りながら、私の胸の鼓動がうるさい位に音を立てている。



私は小さく頷くことしか出来なかった。

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