クールな御曹司の契約妻になりました
次に目を覚ますと、見慣れた真っ白な天井が視界にぼんやりと入ってきた。

「ここは?」

「俺の寝室。香穂、さっき倒れたんだ」

天井だけの風景から千裕さんが覗き込んできたから、視界に千裕さんの心配そうな顔が入ってくる。

どうやら状況から考えると、千裕さんが一人で運んでくれたみたいだ。

「大丈夫?病院行こうか?」

ベッド端に浅く腰掛け、足を組んでいる千裕さんは心底心配している様子なのが痛いくらいに伝わってくる。

私は、小さく何度か首を横に振って見せた。

そう、納得したように声にならないほどの声で呟いた千裕さんは、私の髪の毛を撫で始める。


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