クールな御曹司の契約妻になりました
喋る内容を自分でコントロール出来ずにどうすることも出来ないでいる私の言葉は、千裕さんによって遮られた。

口を塞がれたんだ。千裕さんの唇に。
わずかにワインの芳香な香りのする熱を帯びた唇が私の唇に触れる。

その瞬間、私は我に返った。

「千裕…さんっ!!」

酸素を求めた私の口から出た言葉は、いつもの自分の声だというのに、やけに甘ったるくて少しだけ上擦っている。


千裕さんは私の声を聞くと一瞬微笑んだように見えたけれど、すぐに唇に吸い付いたかと思うと、唇の間から舌をするりと入れて、私の舌を絡めとる。

キスは次第に深まっていく。
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