クールな御曹司の契約妻になりました

「社長は、あなたと結婚してから仕事もとても熱心に取り組まれていました」

成松さんがため息交じりに重たい口を開く。

「もちろん。プライベートも週刊誌の記者に追われるような言動も少なくなった。それは香穂さん、あなたの影響が大きいのだと思っています」

「ありがとうございます」

私の呟くように伝えたお礼を遮るようにもう一度大きく息を吐きだした成松さん。

「本日、社長が会議を2つキャンセルしました。特に朝一の会議は今後の経営方針を話し合う内容でした」


えっ?!千裕さん。私に午前中は時間が空いているって言ってたはず……

きっと私を心配させないための嘘だったのだろう……。

私は思わず下唇を噛みしめる。

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