クールな御曹司の契約妻になりました
一瞬、頭が真っ白になった。

ゴールデンタイムのサスペンスドラマで見たことのあるシーンのようで、私はナイフの刃が向けられているというのに、これが夢なんじゃないかとさえ思えてきた。

「な…奈々未さん……?これは、一体?」

どうにか声になった言葉は明らかに動揺していて、そして震えていた。

私の言葉についさっきまで血の気の引いた真っ青な顔をしていた奈々未さんの顔が急速に赤みを帯びる。


「しらばっくれないで!!どうして!?……ねぇ、どうして、あんたはいつも私の邪魔ばかりするの?」

「えっ?」


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