クールな御曹司の契約妻になりました
「ユウタさんのことだって、私の方が先に好きになってたのよ。それなのに、後から来たあんたがユウタさんと付き合い始めて、私は諦めなきゃいけなかったの。ユウタさんはあんたの知らないところで、ずっと私と関係を持ってったっていうのに!!」

奈々未さんがユウタさんのこと、好きだったなんて知らなかった。

あぁ、あの時ユウタさんの後ろに見えていた想いの強い女性の影は、奈々未さんだったのか。

ナイフを向けられているっていうのに、なんだかそんなことに思いが巡る。

「だけど、あんたはユウタさんを捨てた」

「それはっ……」

「黙ってっ!!」


どうやら奈々未さんは私の言葉になんて耳を貸すつもりはないらしい。

いつも可憐なイメージの奈々未さんからは想像もつかないほどに目を血眼にして私を睨みつけている。


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