クールな御曹司の契約妻になりました
「……いっ、いったぁぁぁ」

痛いけど、生きてる……。

ホッとしたのもつかの間、千裕さんの姿を探す。

千裕さんは!?

あまりの激痛で動かすことの出来ない身体のまま、ゆっくりと目を開けると首だけを動かして周囲を確認する。

左を向くと階段の一番上でナイフを持ったまま、ワナワナと震えている奈々未さんの姿が見える。

真っ青な顔して、ただただそこに突っ立っている。

ゆっくりと首を右に動かす。


するとそこには、私のものではないらしい血だまりが出来ていた。

千裕さんが私の隣に倒れている姿が視界に飛び込んできた。


千裕さんっ!!

そう声を出して呼びかけたかったのに、私はあまりの身体の痛みに襲われたせいで意識を失ってしまった。
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