クールな御曹司の契約妻になりました
いかにも『THE病室』という真っ白な部屋に独特の消毒液のする固いベッドの置かれた私の病室とは異なる千裕さんの病室は、どこかのホテルを連想させた。

壁紙も暖かな木のぬくもりのあるレイアウトで、ベッドだって見るからにふわふわしていて、調度品だってきっと有名ブランドのものが置かれていた。

その部屋の真ん中に置かれたベッドで私が待ち焦がれていた彼は、いつもの整った横顔を崩すことなく新聞読んでいた。


「千裕さんっ!!」
「香穂?!」

右手は包帯を施されているものの、顔色もよくて、いつもの甘い笑顔で私に向かってにっこりと笑った。
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