クールな御曹司の契約妻になりました
「さっきも言っただろう?香穂が気にすることはない」

千裕さんの声は心強い。

「会長、あぁ親父からは、『自業自得だ』って言われたよ。これまで女性関係は自由奔放だったんだ。きっと罰が当たったんだって」

きっと私が心配していたことを払しょくしようとしてくれていること位すぐに分かった。

「悪評や批判は、仕事の実力で取り返すから大丈夫だ」

千裕さんの瞳はキラキラしていてまぶしいとさえ思えた。

「……ありがとうございます」

私の言葉をうけて千裕さんは私の頭に大きな手をのせた。その手はやっぱり暖かくて心の奥がキュンとする。

「この間、香穂のことを守るって約束しただろ?約束を守っただけだから」

そう言った千裕さんの横顔は、なんだか朱に染まっているような気がした。

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