クールな御曹司の契約妻になりました

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雅な音楽が厳かな雰囲気を作り出す中、私は千裕さんと三々九度の盃を交わす。

左薬指には、いつの間に調べたのか私の指のサイズにピッタリなエンゲージリングが輝いている。


千裕さんと私の結婚式は神前式で、お互いの親族だけの凛とした荘厳な空気感の中で執り行われた。


場所はもちろん、二階堂グループの経営する都心の高級ホテル。


数日前にリニューアルしたばかりの神前式の会場は敷地内の日本庭園の中に作られており、大きな窓から春の柔らかな日差しと日本庭園の緑が、厳かな会場に自然光の柔らかさが差し込まれ暖かな雰囲気を作り出す。

私の右隣には、あっという間に和装に着替えた新郎の千裕さんが三々九度の盃を交わしている。



さっきのスーツ姿とは全く異なる黒い紋付き袴姿の千裕さん。

凛とした千裕さんの雰囲気を羽織袴がさらに引き立てていて、カッコいい以外の言葉が見つからない。


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