クールな御曹司の契約妻になりました
「香穂、驚いた?」

口角を上げ、余裕たっぷりに微笑む千裕さんに私は頷く。


「あの服は一体……」

私が荷物を片付けようとクローゼットを開けると、そこにはたくさんの服が並んでいたのだ。

全て高級ブランドで、この間まで大学生だった私には手の届かないものばかりだった。


「今日から、君は僕の妻だ。好きなように使いなさい」

「そ、そんなの困ります!!」

余裕たっぷりな表情を崩さない千裕さんだったけれど、私の抗議の声にキョトンとした表情を見せる。


「困る?どうしてだ?」

「どうしてって……。ちゃんと仕事して、自分の稼いだお金で自分の好きなものは買いたいんです」

私の答えに、千裕さんは思わず吹き出した。


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