クールな御曹司の契約妻になりました
「まぁ、チェックという観点よりは個人的に楽しみで見ている方が大きいかな」
えっ?!
私が千裕さんの言葉に驚いて見つめると、今度は千裕さんが視線を反らす。
少しだけ千裕さんの頬が赤みを帯びているのは多分冷酒のせいだろう。
私は千裕さんの言葉のせいで急に頬が熱を帯びてしまったのだけれど。
この1カ月半で、どうにか千裕さんとも緊張せずに自然に話すことが出来る様になってきたけれど、やっぱりこうやって甘い言葉をかけられるとドキドキせずにはいられない。
その度に千裕さんは可笑しそうに笑ったりして、きっと弄ばれているんだなって思えてくる。
女性の話題が尽きない千裕さんのことだ。
誰にだって甘い言葉を囁いているに違いない。
そう思うと、心の奥が少しだけざわついてしまう。
「俺が投稿を楽しみに待っている女は、香穂のSNSだけだな。」
私の想いが伝わってしまったのか、千裕さんの言葉に私の胸が否応にも一気に高鳴る。