君とチョコと花束と
「あの、いま私の席探してて、どこか教えてもらえませんか?」
「こっちこっち。」
そう言うと渡辺くんは教室の端の後ろから2番目の席に手をついて、
「ここだよ。吉岡の席は。」
と笑顔で教えてくれる。
「ありがとうございます!」
「別にいいってことよ!俺さ、出席番号最後で、余った席なんだよね〜。」
私が席に着くと、渡辺くんも後ろに座って話だして、
「隣もいねーし、前の子はずっと休みだしちょっと寂しかったんだよな。だから吉岡が来てくれて嬉しい!仲良くしてくれなー。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「あ、あと敬語も禁止。同級生なんだからタメで喋ろうぜ?」
手でバツを作る渡部くん。
「そうですね、あっ、うん。そうする!」
私がそう言うと彼はニカッと笑った。
後ろの席の子がフレンドリーな子で良かった。