チョコとブーケ
「ありがとう。」
涙目で震える彼女から、チョコレートを受けとる。
ちょっと、かわいそうなことをしてしまった。
なかなか、チョコをくれない彼女に、焦れて急かすような言い方をしてしまった……
「開けてもいい?」
うつむく彼女に声をかける。
ぱっと、顔をあげ彼女がきく。
「食べて、くれるの?」
「もちろん」
蓋をあけると、トリュフが6個並んでた。
一つつまみ上げ、口へ運ぶ。
「ん。美味しい!!」
「よかったぁ。」
嬉しそうに、切なそうに、彼女が笑う。
次は俺の番。
彼女の気持ちはわかった。
紙袋からミニブーケを取り出す。
ここへ来る途中、花屋に寄って、つくってもらった。
俺の好きな人が、彼女だと知ったら、
彼女はどんな反応をするだろう。