バカな女
「アイス買いに来た。」
「そーなんだ。」
アイス。
チトセの好きなアイスはピノだっけ。
「シアは?」
「えっ、」
久しぶりに名前を呼ばれて、ドキッてしないはずがなくて。
今にも聞こえてしまいそうなくらい大きくなる心臓の音。
「あ、私はお母さんに頼まれた物買いに。」
手に持った袋を見せる。
「そ、」
相変わらず冷たいチトセの態度は、あの頃とはさほど変わってなくて、
そのまま歩き出そうとするチトセ。
「チトセっ!」
「なに。」
好きだよ…。
好きで好きでたまらないんだよ…。