バカな女
「…なにっ」
苦しそうに答えるチトセ。
押し寄せる快楽にどう耐えればいいのか、
何度も跳ね上がる私の腰を、チトセは逃がさないとでも言うように、何度も突き上げる。
律動が最高潮に達したと同時に、チトセがギュッと私にしがみつく。
この瞬間が好き。
チトセが私の事を好きだと錯覚できるから。
少しして、離れたチトセ。
それにつられ私も起き上がり服を着る。
そのままベットに座っていれば、隣にチトセが座りベットが軽く沈む。
「なに、」
声が聞こえ、チトセに顔を向ける。
「なにが?」
そんなチトセは、さっきとは全然違って無表情で。
冷たい瞳で私をみる。
「さっき名前、呼んだでしょ。」
この瞬間が嫌い。
さっきのは夢なんだって。
チトセは私を好きじゃないって実感するから。
「何でもないよ。」
こんなにもチトセが好きで。
こんなにもチトセでいっぱいなのに。