バカな女
私の片思いはそんなものじゃない。
ただ辛くて、ただ苦しいだけのもの。
チトセが私を好きになる事はもう有り得なくて。
こんな中途半端な関係はいつまでも私を苦しめる―――…。
「さむっ。」
いつの間にか日が落ちて、寒くなった外。
久しぶりに歩いたこの道は、前と風景が変わって見えた。
「ただいま。」
「おかえり、どこいってたの?」
そんなお母さんの問に答えるのが面倒くさくて、そのまま部屋に入る。
「はぁ。」
憂鬱。
こんなにもチトセで満たされたのに、心は空っぽ。
と言うより、チトセとこんな関係になった時
から少しづつ、からになっていく心はもう限
界まで来ているのかもしれない。