バカな女


その群れに紛れながら、隣のクラスへ移動した私は、真っ先にチトセを探す。

「いない…。」


やっぱりいない。

どこいったんだろ…。


「まぁーたチトセ見に来たんでしょ。」

後から聞こえた声は、心友のもの。

勢いよく振り返った私にミオは嫌そうに、顔を歪める。

「チトセは?」

そんな私の問にため息を吐くミオ。

「チトセなら保健室だよ。」

「なんでっ?」

なんで、どこか怪我したのかな。

「具合いが悪いみたい。」

熱あるのかな。

早退するのかな。

まだ保健室にいるのかな。

そんなことばかりが頭に浮ぶ。




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