バカな女
3
トンっ
軽く肩に当たったそれ。
見なくたってあいつだってすぐ分かる。
そのまま歩いていく背中を眺めながら、今日も思うんだ。
あぁ。好きだなーって。
「うゎ~。」
見られた。
「あーゆーのがダメだよねー。」
「別にいいでしょ。」
「私、あいつ嫌いだわ。」
「知ってる。」
ミオはあいつが嫌い。
それは最初から。
皆でかっこいいと盛り上がっていても、ミオだけは否定し続けていたし。
まぁ、ミオが嫌ってようが関係ないけど。