好きな人に恋愛相談されました。
そう思ったとき、マネージャーの美花(みか)センパイが俺の肩をぽんと軽く叩き、隣に座ってきた。
「美花センパイ。どうしたんですか」
「堺、なんか今日元気なくない? ボールのキレはいつも通りみたいだけど、試合ではコミュ取れてなかったし変だったよ。どしたの」
いかん。集中できてないのがバレてる。
首を傾げる美花センパイに向かって、しっかりせねばと俺は表情を引き締め、首を横に振る。
「いえ、なんでもありません。次もしっかりアタック決めますから心配しないでください」
「アタックって、高梨に?」
「は!?」
「図星~。その様子だと高梨にチョコレートもらえなくて、いじけてるってとこかな。今日、バレンタインデーだもんねぇ。かわいいなぁ」
「ちょっ……」
美花センパイは俺を慰めるように頭をポンポンと撫でてくる。
ていうか、なんで俺の気持ちを知ってるんだよ!?