闇を抱える蝶と光輝く龍
とにかく、この状況はヤバそうだから声かけてみようかな


「晴、尚、ヤッホー!」


笑顔で手を振ると二人も私に気づき尚は手を振ったけど晴はぎこちない笑顔をしていた


「何してるのー?」


晴「な、なにもないよー。少し知り合いと話してるだけ」


晴、目が泳いでる。嘘付くの下手だね


男性「ひどいな。実の兄を知り合い扱いにするなんて」


晴「っ!だから!お前はさっさと消えろって言ってんだろ!」


尚「晴、結衣ちゃんも見てるから落ち着いて」


晴のお兄さんかぁ。何があったんだろう?


聞きたいけど今聞いたら晴が正気でいられなくなりそうだし、それにこのままだと人が集まりそうだな


よし!


私はバルコニーから下に降りて晴達に駆け寄った


「晴、尚、桐人が探してたよ?なんか大事な話をするらしいから早く行ったら?」


私は二人に嘘をついた


ごめんね。二人とも。許して



尚「分かった。晴、行こう?」


晴「…分かった」


そう言って二人はホテルに入っていった


「…さてと」


私は晴のお兄さんの方を向いた


あれ?この人まさか…


「も、もしかしてあなたはあ…もごもご!」


私が話している途中で晴のお兄さんは口を手で塞いだ


晴兄「ごめん、結衣。晴斗は俺があそこに入ってたの知らないからまだ言わないでね?」


そうなんだ。いきなり塞がれたからビックリした


晴兄「さて、俺は帰るか」


「え?もう帰るんですか?」


晴兄「今日は晴斗が元気かってことと尚斗ってやつの顔を見たかっただけだから。それに、やらなきゃいけないことも出来たし」


すると晴のお兄さんは私に


晴兄「これからも晴斗のことよろしくね?」


そう言って去っていった


ずいぶん変わってたから遠目じゃ分からなかった


まさかあの人だったなんて


とりあえず大事にならないで済んだかな?


私は一つため息をついたあとホテルに戻った



晴のお兄さんの正体?気になるよね。でもいづれ分かるよ
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