闇を抱える蝶と光輝く龍
次の花火はスパーク花火


快「この花火もスゲーな」


雪「……これは初めて」


雪が驚きながら呟いた


洸龍の方を見ると


尚「わー!すごーい!」


舜「かなり火花が飛び散りますね」


陸「…さっきより光が強い」


笑いながら楽しんでる中


晴「………」


晴は真顔で一言も喋らずただ花火を見ていた


やっぱりお兄さんのこと引きずってるのかな?


話しかけようと駆け寄ろうとしたら


尚「あ!結衣ちゃん!ちょっと待って!」


尚が焦ったように私のところに来て


尚「晴のことは一人にしてあげて。たぶんまだ頭のなかは混乱してるから」


私だけに聞こえるように言った


「え?でも…」


尚「お願い!晴には考える時間が必要だと思うから」


「…うん。分かった」


すごく気になったけどあんなに必死にお願いされたら従うしかなかった


翔「晴斗のことが気になるのは分かるけど、今は花火に集中してほしいです。快と類は一瞬でも気を抜くと、とんでもないことするからね」


「うん。ごめん」


たしかにそうだね。普通じゃやらないことを簡単にやっちゃうから油断できないんだよね


翔と雪だけじゃおさえられないこともあるし


類「ゆーいー!結衣もやろうよ!」


類がスパーク花火を持ちながら走ってきた


「類ちょっと危な…」


危ないと言い終わらないうちに足にチクっと一瞬激しい痛みが走った


「いたっ!」


類「え?結衣?」


翔「結衣!?」


雪「結衣!どうしたの?」


快「どうしたんだよ」


雪「……快は動かないで」


快「なんで?」


雪「……花火の火花が飛び散るかもしれないから」


快「ああ。分かった」


快以外が駆け寄った


痛む方を見ると


翔「やけど?」


どうやらやけどしてるみたいだった


類「…もしかして僕のせい?」


類が目をうるうるして言った


類「ご、ごめんね!ほんとにごめん!僕が花火持ちながら走ったから」


「大丈夫だよ。わざとじゃないのは分かってるし、ほんのちょっとチクっとしただけだから」


翔「でも、痕になるかもしれないし冷やさないと。雪、ホテルから冷やすもの持ってきて」


雪「……分かった」



雪はホテルに走っていった



晴「ゆーちゃん!大丈夫?」


「晴?」


騒ぎに気がついたのか晴が駆け寄ってきた


桐「結衣!何かあったのか?」


舜「結衣さん。大丈夫ですか?」


尚「どうしたの?結衣ちゃん」


陸「……結衣に何かあったの?」


そのあと洸龍の皆も駆け寄ってきた


翔「実は、類が結衣に花火やろうって走ってきて、そしたら火花が結衣の足に…」


するとみんな類を睨んだ


類「ヒッ!」


「あー!類を責めないで!私が注意しなかったのも悪いし、類だって悪気はないから。ね?」


私がそう言うと


桐「結衣がいいなら、俺らはなにもしないけど」


他のみんなも頷いた


良かった。危うく関係が悪くなるところだった


雪「……結衣、これで冷やして」


すると雪が戻ってきて保冷剤をタオルに包んで持ってきてくれた


「ありがとう。雪」


私は雪から保冷剤を受け取りやけどのところに当てた


桐「ほんとに平気か?」


「うん。大丈夫。そんなに酷くないし」


すると桐人はまだ心配してたけどみんなと元の位置に戻った

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