闇を抱える蝶と光輝く龍
【結衣said】


晴「今日の朝、あいつがここに来て、“会社はどうなった”ってまるで他人事のように聞いてきたから今までの怒りが爆発して自分を保てなくなったんだ」


晴が過去とお兄さんがここに来た時のことを話してくれた


晴「もしかしたら、僕たちが暴走族って知って居場所を奪われるかもって思ったら怖くて…。僕幹部失格だね。こんな弱い僕じゃ幹部なんて務まんないよね」


晴は乾いた声でハハッって笑った


「やっぱり似てるね。晴と尚」


晴「え?」


晴は訳が分からないような顔をした


「実はね、尚がこの前過去を話してくれたんだ。その時も自分は弱いって言ったんだ。晴も同じこと言ったから似てるなって思って」


晴「尚がそんなこと言ったんだ」


「でも、晴はお兄さんに暴力までは振らなかったでしょ?私だったら悔し泣きしながら殴ってたよ。晴はそれを我慢した。それってすごいことだよ」



私は言葉を続けた


「晴、お兄さんは姿を消したかもしれない。けど、私たちは晴の前からいなくなったりしないよ。例え晴のお兄さんが何かしてきたとしても晴を見捨てたり離れたりしないから。今の晴には私も桐人たちもいる。大丈夫。一人じゃないよ」


晴「そうだね。僕は一人じゃないもんね。それに兄さん、顔は広いけど裏と関わってる可能性は低いし、僕たちが暴走族だって知ってるような素振りもなかったから大丈夫だよね?あーあ。悩んでた僕がバカみたい」


晴はいつもの笑顔で言った


よかった。いつもの晴に戻ったかな


晴「ゆーちゃん聞いてくれてありがとう。ゆーちゃんに話して良かったよ」


「私は思ったことを言っただけだよ」


晴「でも、他の子だったら引くか気休めの言葉言うかどっちかだもん。ゆーちゃんを姫にして良かった」


晴の表情が明るくなって良かった


晴「他のメンバーにも迷惑かけたから謝りに行かないとね」


「私も付き添うよ。どうせ暇だし」


晴「ありがとう!ゆーちゃん!」


そして私たちは謝りに行った
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