闇を抱える蝶と光輝く龍
【晴斗said】

僕は夏休みの二日目


バーベキューをする場所を確認しようと尚と一緒に外に出ると


そこに見覚えある人が立っていた


あいつは


あっちも気がついて僕の方に駆け寄ってきた


?「よう!晴斗。しばらく見ない間に大きくなったな」


「…兄さん」


そう。立っていたのは5年前に家を捨てた僕の兄だった


尚「晴?あれ、あの人って家の写真に写ってた人だよね?」


尚が言ってるのは家に飾ってある写真のこと


家には今も兄と写ってる写真が飾ってあるからそれを見たんだと思う


晴兄「ふーん。そいつが尚斗って奴か。確かに雰囲気とか口調はそっくりだな。そう言えば、会社はどうだ?俺がいなくなってから晴斗が跡継ぎになったんだろ?」


兄さんは笑顔のまま聞いてきた


「おかげで会社はずいぶん小さくなっちゃったよ。兄さんが消えてから変な噂が立つし、お父さんとお母さんは倒れちゃったし、社員はどんどんやめてくし、さらには僕は社員から“結城家の出来損ない”って言われてるし。悪いこと続きだよ‼」


そう言うと兄さんは


晴兄「え?噂?父さんと母さんが倒れた?それに社員が辞めていくってなんで急にそんなことになってんの?」


訳がわからないって顔をしていた


「ふざけるな!兄さんが…お前が出ていったからだ。そのせいで会社は小さくなってお父さんもお母さんもストレスと過労で倒れて俺は社員達から憐れな目で見られる。なのに、お前は会社より自分の自由選んだ!全部お前のせいだ」


晴兄「…家を出たことは後悔はしていない。でも、まさかこんなことになってるなんて知らなかった。てっきり晴斗がしっかり勤めてるものかと思ってたから」
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