闇を抱える蝶と光輝く龍
「はぁ? 僕が頭よくないのも要領悪いのも知ってたくせによく言うよ。どうせ、家族の事も会社の事もどうでもよかったんでしょ?だから家を出たんだよね。自分の自由のために」


もう自分を保てなくなっていた


「もうお前の顔なんてみたくない!さっさと消えてくれる?」


尚「晴、落ち着いて」


尚が宥めてくれるけど今の僕には聞こえてない


晴兄「晴斗、しっかり話を…」


「うるさい!さっさと消えろ!」


そう叫んだとき


結「晴、尚、ヤッホー!」


ゆーちゃんの声が聞こえた


声をする方を向くとゆーちゃんがバルコニーから手を振っていた


尚は手を振り返したけど僕はぎこちない笑顔をすることしか出来なかった


結「何してるのー?」


ゆーちゃんがそう聞いてきたので


「な、なにもないよー?ただ知り合いと話してるだけ」


知られたくなくて嘘をついた


晴兄「ひどいな。実の兄を知り合い扱いするなんて」


「っ!だからお前はさっさと消えろって言ってんだろ!」



尚「晴、結衣ちゃんも見てるから落ち着いて」



僕は冷静な判断ができなくなっていた


するとゆーちゃんがバルコニーから飛び降りてきて


結「晴、尚、桐人が探してたよ?なんか大事な話しするみたいだから早く行ったら?」


ゆーちゃんがそう言った


きーくんが?そんな話しは聞いてないけど



でも、遅れるときーくん怖いからな


僕たちはゆーちゃんにそういわれきーくんのところに向かった


その後ゆーちゃんと兄さんはなにか話してたけど僕は気持ちを落ち着かせるのに必死だった


結局ゆーちゃんの言ってることは嘘だったけど兄さんが来たことは大事にはならなかった
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